"人間の美しさも醜さも経験した東日本大震災"
今でこそフリーのフォトグラファーとして活動している僕ですが
前職は建築関係の仕事をしていました。
地震発生時は東京にいて、地震発生から数日後
上司から現地(宮城県)で仕事をして欲しいと頼まれました。
当時は現地の復旧の目処がまったくわからず
長期出張という体裁はとっていたものの
上司からはいつ戻って来れるかわからないと告げられました。
「自分が今やっている仕事が少しでも被災地の役に立つのであれば」
地震発生後から約3週間後には現地へ乗り込んでいました。
被災地で仕事と聞くと、すごく大変なイメージを持つ方もいると思うのですが
僕の仕事は直接的に地震の被害に関わるような仕事ではなかったため
想像よりも忙しくはありませんでした。
休日もきちんと確保されていたので
休日にはボランティアに参加していました。
僕はボランティア活動を通して現地で人と関わっていくなかで
人間の美しさも醜さも見てきました。
東日本大震災に関しては多くのことは語りません。
地震発生後、現地で暮らしてはいるものの、僕はあくまで外部から来た人間。
小さい大きいに関わらず、地震のような天災に関して
当事者以外の人間は多くを語らないほうが良いと思っています。
もしも語るのであれば、圧倒的な情報量と時間が必要でしょう。
もちろん、語っている人たちを否定しているわけではありません。
むしろ、すごいと思います。
かなりのリスクを背負うことになりますし
発言することはものすごく勇気がいることですからね。
結局、いつ戻って来られるかわからないと言われていたのですが
交通機関の復旧が予定よりも早く、僕の業務は必要ではなくなりました。
約10ヶ月間を宮城県で過ごし、東京へ戻ることになります。